光の巫女
「・・・あのっ・・・あたし・・・」

まずは黙って見ていたことへの謝罪と、知っているだろうが自己紹介くらいはしなければいけないと決意したその時。

心臓がドクン、と高鳴る。

この間と一緒だ。十二神将を召喚した時のように、全身が軋む。

頭も段々と痛くなる。このままでは意識を持っていかれそうだ。けれど、歯を食いしばって踏みとどまる。

目の前の男は、不思議そうな顔をしている。召喚された式神は、菖蒲の異変に気づいたのか、そっと円を背に立つ。

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