光の巫女
『我に流れる陰の力を以て命ず。両名の動きを封じよっ!』
『邪よ、消え失せろっ!』

その叫びと同時に、二人の動きが止まる。

術が解けたのか菖蒲と円はその場に倒れる。二人の意識は段々とはっきりしてきたようだ。

その証拠に、円の髪と瞳は漆黒に戻る。

「主、邪の気配は消え去りましてございます。動けますか?」

琥珀は円に手を差し伸べる。円もまだ体に力が入らないのか、琥珀の手を借り、やっとの事で立ち上がる。

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