総長からの「愛してる」Ⅱ
ブオン……ブオン…ッ…
「?!」
唐突に聞こえ始めた、微かなバイクの音。
その音に私は思わず立ち上がった。
「バイクか?」
「きっと、下の奴じゃないよ。
いったい誰が……?」
海斗と奏が不思議そうな顔をする。
「れ、廉也……」
私はバイクの知識はないから、バイクのエンジンの音を区別する能力なんてない。
でも、このバイクの正体に確信がもてる。
聞きなれた、音だから。
「……予想外だが、仕方ねぇ。
お前ら、用意しろ。」
ドンドンと数が増えていくバイクの音に、廉也は察したようだ。
「鳳凰の奇襲だ。」