総長からの「愛してる」Ⅱ
龍嵐が敵とみなした彼らは、もちろん鳳凰で。
そして、その先頭を率いているのは……晃くんじゃなくて。
総長を抜かした、鳳凰7代目幹部の4人。
まるで、あの頃のように。
堂々と前に立つ彼ら。
4人の視線は真っ直ぐ、私を見つめていた。
「美愛、迎えに来た。」
悠は龍嵐が目の前にいることに躊躇いもせず、私に言った。
その言葉は、確かな宣戦布告。
「俺たちが美愛を渡すわけないんだけど。」
奏の挑戦的な声が聞こえる。
「はっ!馬鹿じゃねぇの。
お前に言ってねぇっつうの。」
懐かしい、乱暴な言葉遣い。
その声に、更に涙が溢れてくる。