総長からの「愛してる」Ⅱ



あの頃のまま、1年経っても変わってない。




「……吉良」




私の声が届いたのか、届かなかったのか……



わからないけど、吉良は私を見つめて話し出す。




「お前が姫じゃなくなっても、俺らはお前の友達なんだよ!
俺らが美愛も……その子も幸せにしてやる。


それにお前は、いつまでも來叶の女だからな。」




吉良は意地悪だけど、人が本当に傷つくことは言わない。



だから、その言葉は隠しきれない吉良の本音。



それは、私の胸に深く刺さる。




「美愛ーーーーっ!」



「疾風っ」



いつでも真っ直ぐで、驚くほどのバカっぷりを発揮する疾風。



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