総長からの「愛してる」Ⅱ
「だから、美愛も帰ってこいよな。
お前の居場所はここにあるんだ。」
真っ直ぐすぎる疾風の言葉が、心に刺さる日がくるなんて、思わなかった。
「私の、帰る場所………」
鳳凰を見れば、全員が私を見つめていた。
初めて見る顔もある、知っている顔もいる。
でも、そんなことは関係なく、全員が私を求めていた。
「美愛ちゃんは馬鹿なんだよ。」
いつでも優しかった翔太。
同い年なのに、大人のような安心感と抱擁力を備えていて。
まるで、悠と一緒で翔太は頼れるお兄ちゃんのような存在。
「……美愛ちゃんは子どもを育てるには自分を犠牲にするしかないって俺たちに言ったけど。
本当は、他の可能性に気づいてたんだろう?」