総長からの「愛してる」Ⅱ
……何も、知らなかった。
悠が自分の未来を捨て、私を孤独にしないようにしてたこと。
悠には、今までも感謝していた。
でも、もう言葉だけじゃ返せないくらいの優しさを貰ってることに、なぜ気付けなかったんだろう。
「今の俺たちは、どう見ても悪役だよ。
でも、俺はハルを悪役になんかさせない。
ここまで自分を捨ててきたハルが、最後に敵で終わっていいはずがない!」
溢れ出す涙を、止めることなんてできない。
私は、一体悠の何を見てきたんだろう。
「美愛ちゃん。
ハルの元に、今帰ってこないなら、俺は一生許せなくなる。」