総長からの「愛してる」Ⅱ
「細けぇことは、もういいだろ?」
翔太を黙らせ、悠は今度は廉也を睨むつけていた。
「お前の事情があろうと、俺にも俺の気持ちがある。
美愛は、ここにいることで、もう幸せを手に入れた。」
「お前らといても、かりそめの幸福にしかすぎない。」
2つのトップクラスの暴走族。
その代表である二人が、互いに殺気を放って、相手に対して堂々と正面を向く。
シーーーンとした空間。
ピリピリと緊張感が流れ、メラメラと燃える闘志。
その状態のまま、何十分も経ったように思えた。
その雰囲気の中、開戦の合図が出た。
「お前ら、俺の大切な女を全力で守れ!!」
「俺らは美愛がいなきゃ未完成だ。
死ぬ気で奪い取れ!!」
────「「開戦だ!!!」」