総長からの「愛してる」Ⅱ
暴走族の副総長だ。
《side 悠希》
なぜ、と言われてもわからない。
どうして、と言われても答えられない。
ただ、好きになってしまった。
たとえ俺の人生が美愛の人生の犠牲になろうと、美愛が少しでも幸せになれるならそれで良かった。
そんな理由を話せば、本人が悲しむことくらい、わかってるんだけどな。
「………。」
喧嘩が繰り広がられてる上で、美愛は泣き崩れていた。
……泣かしたくなかった。
だから、真実を教えたくなかった。
真実を知って、美愛が傷付くなら、美愛は、何も知らなくていい。
「………泣くなよ。」
今、美愛が泣いてるのに、そばにいる余裕すらない彼氏なんて、やめろ。
俺なら、絶対に幸せにするのに。