総長からの「愛してる」Ⅱ
泣き声で言った言葉に、俺は固まった。
一番が二人?
それは、つまり、十六夜廉也のことも好きだということか?
無理だ。
その答えは、俺が求めていたものではないことを意味した。
「なあ、美愛。」
痛む心を抑え、俺はどうしようもない怒りを滲ませる。
「お前は今、來叶か十六夜廉也か、どちらかを選ばなくてはいけない。」
どちらかを選ぶということは、どちらかを捨てるということ。
誰にでも訪れる、苦渋の天秤。
今の美愛が、両方を選ぶことは許されない。
「鳳凰か龍嵐か……つまり、來叶か十六夜廉也か。
どちらかを捨てろ。」
大切なものを捨てる覚悟がない奴に、大切なものは守れない。