総長からの「愛してる」Ⅱ
それは、未來の父親を捨てるということでもあり、
美愛にとって過去の幸せも自分の苦しみも、全てを無かったことにすることだ。
これで、俺たちの王手だ。
『………悠、鳳凰を選んでも、私の心は騙す必要はないよね。』
スマホから聞こえてきた切ない美愛の声に、嫌な予感が体をめぐる。
美愛を完全に奪ったと思い、安堵した俺の心がざわめいた。
『たとえ、この先会えなくても…。それでも、私は一生廉也を愛すよ。』
なんて、残酷な女なんだろう。
美愛は今、あえてこの場面で俺との関係に区切りをつけた。
「………それが告白の返事のつもりか。」
『うん。』
「…………。」