総長からの「愛してる」Ⅱ
『悠、どうしたの……?』
「美愛、動かずに待ってろ。」
俺は返事を聞かずに、電話を切った。
ここまできて、暴走族が喧嘩もせずに決着をつけられる訳がねぇ。
美愛のために、と思ったが、もうやめた。
「…………。」
体が芯から燃え上がるような感覚。
怒りで頭の思考が正常でなくなる。
この感覚は、この間の学校の中庭でのとき以来だ。
「…………二度と、俺らから美愛を奪えなくしてやるよ。」
この際だから、はっきりしてやろうじゃねぇか。
同じトップテンと呼ばれる族どうし、どちらが上かを。
暴走族の順位にこだわりはねぇが、お前らにだけは負けたくねぇよな。
「………潰してやるよ。」