総長からの「愛してる」Ⅱ
「廉っ!!」
叫ぶが、周りは喧嘩だらけで廉の居場所どころか、昴や旭、奏も見つけられそうにない。
「仕方ねえな。」
俺は、鳥遊悠希に向かって走った。
ここで引くわけにはいかない。
だが、このままでは鳥遊悠希一人の手によって、潰されかねない。
「鳥遊悠希、俺と勝負しろおおおお!!」
これでも、龍嵐で特攻隊長になってる身だ。
喧嘩は幹部の中でも廉に一番近い自信はある。
「どけよ、邪魔だ。」
近付いて気付く。
その男の、あまりにも冷え切った瞳。
身体中から発している怒りと、俺でも一瞬震えてしまう殺気。
こいつ、本気で人を殺すんじゃねぇか。