総長からの「愛してる」Ⅱ
痛む肋骨を手で押さえ、俺は右足へ重心を移動する。
タイミング良く跳んだものの、鳥遊悠希は瞬時に反応し、俺の左足足首に軽く蹴りを入れて曲げた。
おかげで、着地した時にバランスが崩れ、左足足首を捻った。
こいつ、強い。
この強さは半端じゃねぇ。
「もう終わりか?」
「なわけねぇだろ!!」
左足首の痛みを完全に無視し、俺は右足を軸に回し蹴りをする。
……俺のその一手がこの勝負の勝敗を決めた。
俺の蹴りを避けもせず、体でそのまま受けた鳥遊悠希。
俺の蹴りで体に反動を受けたそいつは、それを気にもせずに、次の行動に移った。