総長からの「愛してる」Ⅱ
「姫の願い事は絶対だ」
最後の言葉を正直に
《side 美愛》
「……そ、んな」
2階にいる私。
1階を全て見渡せるからこそ、その光景も見えていた。
ほとんど一方的だった、殴り合い。
悠の蹴りを入れる足は、海斗が意識を失ってから、やっと止まった。
ここから見ても、既に海斗は瀕死だとわかる。
「……っ……!!」
悠は次の相手を探して辺りを見回す。
………久しぶりに見る、悠の狂気に染まった姿。
普段は温厚とは言えないものの、あまり怒ったりしない。
だから、余計に怖い。
「…………電話で何を言った?」
その声に体が震えた。