総長からの「愛してる」Ⅱ
自分の不幸に浸かっていたのは、海斗や奏だけじゃない。
私もだ。
「………俺たちは、誰一人残さず、それを願ってきた。
そのきっかけを作ったのは來叶だし、來叶の意思を受け継いだのは悠希だ。
でも、今のあいつは、自分も気づかぬうちに本来一番であるはずの願いよりも、大きな願いを優先している。」
それがなんなのか、私にはちゃんとわかってる。
でも、それを口に出すのは、ダメな気がして。
唇を噛みしめた。
「俺は、美愛が決めた幸せの道なら、その道を進むべきだと思う。
だから、ここに来るのも、本当は迷っていた。
疾風のバカも、翔太のアホも、本当は気付いてる。
俺たちは、言葉と行動が矛盾して………ただの駄々っ子だ。」