総長からの「愛してる」Ⅱ
それでも、吉良がここまで来た理由がある。
それはきっと、吉良なりに手放したくないものだったんだと思う。
正しいとか、間違ってるとか………そんなこと関係なくなるくらい、守りたいものがある。
「そんなバカな俺らでも、やっぱり鳳凰を悪者にしたくないし、悠希を悪役にはできねえんだよな。」
『私も同じ気持ち』なんて思いを、今の私に言う資格はない。
けど……吉良なら、言わなくてもわかってる。
「互いに同じ思いなんだから、教えてくれ。
さっきの電話で言ったこと。
お前の心からの思いを。
誰にも言わねーし、今日が終わったら、俺の記憶力じゃ覚えきれねーしな。」