総長からの「愛してる」Ⅱ
一度止め、深呼吸をする私の背中に、優しい手が回る。
この手が、私を守るのはきっと最後だから。
遠慮なんて、それこそ吉良は傷付くから。
だから、あと一言言わせて。
「それが、私の選んだ幸せ。」
最後にギュッと抱きしめられ、吉良はゆっくりと立ち上がる。
「知ってるか、美愛?」
吉良は私をまっすぐ見て、言った。
「姫の願い事は絶対なんだ。」
その言葉に込められた意味に気づき、私は精一杯の笑顔で、最後の言葉をかつての仲間へ口に出す。
「悠希を救って。」