総長からの「愛してる」Ⅱ
既に喧嘩によって、双方で怪我人が続出。
倒れている仲間を壁際に運び、また戦場へと入っていく、かつての仲間と、今の仲間。
こんな優しい人たちが支えてくれたから、今、私はここに生きている。
腕の中の未來を見下ろし、前へ歩き出す。
この子について、吉良は何も言わなかった。
……言わなくて、いい。
私の未来に、鳳凰はいないのだから。
それが、私の選んだ道だから。
吉良が言いたいのは、そういうことなんだと、思う。
階段を下り終えようとした、その時。
倉庫中に、拡声器を使った吉良の声が響いた。