総長からの「愛してる」Ⅱ



そこにあったのは、確かに7代目幹部全員の署名。




でも、その日付は約1年3ヶ月前。



私が、あの街から姿を消す前日だった。




「………は、る?」





思わず声が溢れた。



何があったのか、知らない。



どうしてこんな書類があるのか、私は何もわからない。




でも、これはきっと、私のため。





「悠、消そうとしたの?」





誰も喋らず、誰も動かないこの静まり返った倉庫に、私の小さい声が大きく響いた。




「……………吉良、なんで持ってる。」




悠は元に戻っていた。




あまりにも予想外のことだったんだと思う。




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