総長からの「愛してる」Ⅱ
そうだよね?
過去を割り切る必要はないけど、過去を未来に繋がないのは、
過去に頑張った自分への、これ以上ないくらいの侮辱だと思う。
「私は今、龍嵐にいるけど。
それは、鳳凰への未練を断ち切るためじゃないの。
絶望していた私に、たった一人だけ手を差し伸べてくれる人がいたから…
その手を掴んだの。」
廉也と目が合い、ドキッとする。
廉也の必死な救いの手は、私を本当に救ってくれた。
「たとえ彼が龍嵐の総長じゃなくても、例えばただの平凡な高校生であっても……
私はその手を、離したくないの。」