総長からの「愛してる」Ⅱ
「ーーーやめだ。」
もっと様子を見ようと思ったが、考えることが無駄だと感じる。
行動を読んだくらいで簡単に勝てるなら、ここまで苦労しねぇ。
ここで頼るのは、自分の直感だ。
深読みして、相手の攻撃の可能性を狭めるのは得策じゃねぇ。
「いくぞぉぉおおおお!!」
鳥遊悠希の雄叫びと同時に、かなり狭まった距離から蹴りが飛んでくる。
だが、まだ蹴りにしては遠い。
これは囮だ。
焦らず、二発目を想定して、逆に前に走る。
当たらせることを想定していない蹴りは簡単に避けられる。
問題はどこからくるかわからない二発目だが……