総長からの「愛してる」Ⅱ
美愛を見れば、十六夜廉也と話している。
その表情は、まるであの頃、來叶の隣にいた美愛そのものだ。
「わかってたんだ、本当は。」
……最初から、吉良に言われるまでもなくわかっていた。
俺らがどうするべきで、俺がどうするべきか、なんてことは。
「まあ、たまには暴走もいいんじゃなーいの?」
「ハルはいっつも無理するから。」
二人の言葉に、何も言わずに美愛を見つめる。
……本気で、好きだった。愛していた。
自分の不幸が当たり前になっている日常で、來叶に出会えたことをきっかけに輝きだした女の子。
來叶が気にいる女なんて、今までいなかったから余計に気になった。