総長からの「愛してる」Ⅱ



『最後の言葉』だという覚悟があるのか、言っている鳥遊悠希本人も、聞く側の美愛も、二人の間に特別な緊張感が出る。



それは、決して悪なものでなく……


むしろこの場では何よりも必要な、特種なもの。




「でも、それじゃあお前は前に進めないよな。

むしろ、こんな結果を生んじまった。


鳳凰だけは、美愛と來叶の恋だけは、これ以上悲劇にしたくないと言う思いさえ、

叶えられなかった。



俺の勝手なエゴがお前を苦しめ、傷付けた。



ごめんな。」




美愛は返事をせずに、ただじっと鳥遊悠希を見つめた。



やがて、そんな美愛の視線に、鳥遊悠希は嬉しそうに笑って頷いた。




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