総長からの「愛してる」Ⅱ
「守り切ってみせる。
あいつが幸せになって、人として満たされた命を終える、その日まで。」
俺の言葉に、鳥遊悠希は返事をしなかった。
独特な緊張が漂うこの空間に、鳥遊悠希と俺は互いに何も言わなかった。
ただ、二人の想いは同じだ。
美愛を愛し、
美愛の幸せを願い、
自分自身の全てを美愛に捧げる。
きっと、本当に愛せる女に出会えたことに感謝しているのも。
たとえそれが、悲劇の始まりだとしても……
それでも、自分も幸せを感じれたから。
鳥遊悠希は最後に、言葉を残した。
「……死ぬなよ。
……ーーー幸せになれ。」