総長からの「愛してる」Ⅱ
「俺は変わりたいくせに、変わることから逃げてた。
自分の闇から抜け出せず、甘えてたのは俺だ。」
救われる側でいたかった。
“可哀想な俺” でいれば、自分を守られるとそんなくだらないことを、いつの間にか信じて。
ただ、悲劇の役者になろうとしてた。
「それでもやっぱり変わりたかった。」
『悲劇の中にいることは楽だけど……それじゃあ生きるのは楽しくないの』
こいつは、本当の悲劇を体験したくせに。
今でも悲劇から抜け出せないくせに、俺なんかを導こうとする。
「美愛、お前バカだろ。」
バカなこいつが、誰かを裏切るわけない。
俺らを裏切るわけがない。