総長からの「愛してる」Ⅱ
「塗りますよ。」
その声とともに、恐る恐る、という感じの手のひらを背中に感じた。
どんどん手際よく塗られていかれ、すぐに声がかけられた。
「もう大丈夫だと思います。」
「本当にありがとう。」
私が立ち上がろうとしたその時。
怒りを含んだ低音の声が聞こえた。
「なにしてる。」
「れ、廉さん!!」
その声に、周囲にいた龍嵐全員が振り向き、私とアキラくんを見る。
「あちゃー………そっか、そういう問題もあったね。」
「やっちまったな。」
「これはまずいですね。」
奏、海斗、旭の呆れ声を聞いて、さっきまでアキラくんが躊躇っていた理由に初めて気が付いた。