総長からの「愛してる」Ⅱ
心の中で後悔し、泣きそうな私を廉也は更に追い詰めた。
「きゃっ?!
待って、廉也…!!」
前触れもなくパッと離された廉也の腕。
さっきまでその腕に支えられていた私は、慌てて廉也にしがみつく。
落ちたら、溺れる。
泳げない私にとって、それはかなりの恐怖で。
必死に廉也へ縋り付く。
「れ、廉也!!
謝るから、お願い離さないで…っ」
ギュッと、力一杯廉也にしがみつく。
揺れる波に恐怖でドキドキしながら、必死に離れまいとする。
怒った廉也の怖さが、身にしみてわかる。
何秒か、何分か…もしかしたら10分以上かもしれない。
長かった恐怖からも、再び強く抱きしめる廉也によって、解放された。