総長からの「愛してる」Ⅱ
もんもんと考えながら、海斗と一緒に浜辺を歩き続けた。
そんな風に考えていたら、ふとあることに気付いた。
「そういえば、今日は桜瀬昴は来てないの?」
「あー………あいつか……」
海斗は若干戸惑ったように顔を歪めるが、すぐに表情はいつも通りになる。
ただ、その代わりに声音に悲しそうな声が混じり始めた。
「この近くに広い墓地があってよ。
昴はそこに用があるっつって、行きは一緒だったが別行動してる。
終わり次第戻るように言ったけど、多分戻ってこないな。」
「墓地………?」
意外な桜瀬昴の行動に、私は海斗の言葉を繰り返した。