総長からの「愛してる」Ⅱ
俺の中に唯一 “闇” と呼ばれる時間があるとしたら
あの日のあのたった10時間にも満たないとき。
いつまでも忘れることは許されない。
あの日のあの時間。
俺は、一つの大きな罪を犯してしまった。
「後悔、しているの?」
美愛の声で現実に引き戻される。
「なぜ、そう思う?」
「復讐を望んでいるみたいだから。」
美愛の視線の先。
俺が供えたアイリスが、そこにあった。
アイリスの花言葉。
「あなたを大切にします」「吉報」「恋のメッセージ」「優雅な心」…………「復讐」。
「後悔しているの?」
美愛はもう一度俺に尋ねた。