総長からの「愛してる」Ⅱ



「後悔してない。」



後悔なんてしたくても、することがない。


いっそ後悔できたら、楽なんだ。



あの日の事故自体は、必然じゃない。



あの日の運命は俺には止められなかった。




けど、俺の中で消えてくれないわけは………ただ、俺だけが、生き残ったから。





「復讐なんて、虚しいだけだよ。」



「お前に何が…っ「わかるよ。」」




同情されれば、反射的に出てしまう言葉。


『お前に何がわかる』



けど、こいつは違う。




「私も殺したいくらい憎い相手がいるから。


大切な人を、こんな冷たい石の下に入れてしまったから。」




そうだ。この女も、彼氏という最愛の存在を、『自分のせいで』失っている。




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