総長からの「愛してる」Ⅱ
「俺以外の、全員が死んだ。
俺だけが生き残った。
一緒に乗っていた親父も、かあさんも、弟も、全員が目の前で死んでいた。」
いっそのこと、俺も殺して欲しかった。
そうすれば、自分が生きていることに罪を感じることもなかった。
生かされた命を殺せない俺は、一人で生きた。
ただ一つの罪を背負い、ただ一つの憎しみだけを胸に、生きた。
「ヨコクラバス。バス会社界の中では大きい企業らしい。
だから、そいつらは………金の力で全てをなかったことにした。」
新聞の一面に表紙を飾るはずだった。
けど実際、ヨコクラバスの「ヨ」の字すらも、ニュースとして取り上げられることはなかった