総長からの「愛してる」Ⅱ
「想像しろ。
10時間。生きているのは、自分だけだ。
誰一人として動かず、誰一人として呼吸せず、自分だけがたった一人で生きている。
だれがそんな貧乏くじを引きたい?」
恨み。憎しみ。殺したいという望み。
家族全員の死と引き換えに、俺に与えられたのはたった一人いきているという孤独。
そんなものは………
「孤独は、死よりも辛い。」
ーーーその声は、俺じゃなかった。
「最近、昔を思い返すたびに思う。
孤独というものがどれほど残酷なものなのか、考えてみるの。」
俺の家族が眠る墓に、美愛は目を向けたままだ。
その表情に影が生じる。