総長からの「愛してる」Ⅱ
「私は孤独の後に幸せを知って、そして落とされた。
孤独も幸せも体験したからこそ、殺したいという思いは生まれた。」
美愛も、同じだった。
今の龍嵐という箱にいながら、心に復讐を燃やしている。
顔に出さず、心の中で熱く、密かに…でも確かに持っている。
「私も最愛の命を犠牲に生きている。
だからこそ幸せになれ、と人は言うけど………そう思えば思うほど相手が許せなくなる。
私がこんなに苦しんでいる中、きっとそいつは何も感じずに普段と変わらず生きている。」
でも、と美愛は振り向いた。
そこに宿る復讐を俺にすら見せず、彼女はどこか嬉しそうに言う。