総長からの「愛してる」Ⅱ
「お前に出会えて良かった。」
心から思った。
こいつに出会えて良かったと。
美愛と話して、今の俺から変わる決心がついた。
「突然なに?私に出会えて良かった、とか。
桜瀬昴のくせに、いきなりすぎる。」
今までの俺とのギャップを感じるのか、美愛は一瞬俺と目を合わせ、背けた。
「桜瀬昴の復讐が、いつか実るといいね。
でもそれは、今じゃないよ。
まだ、その時はきてない。」
今はこの幸せを守ろうよ、と美愛は笑った。
俺は振り返り、墓を見る。
(ごめん。)
声にならない言葉が、俺の中で響いた。