総長からの「愛してる」Ⅱ
前から歩いてくる男に疑問を持ちながらも、特に気にするほどではないと思ったが、もう一つあることに気づく。
この先はもう一本道。
進んでいけば、あるのは広い霊園だけだ。
あいつも、そこから来たのか?
別に知り合いでもねぇし考えたって仕方ねぇが、なんか気になる。
俺は興味を持つものの、特に警戒はせずに、そいつとすれ違うーーーはずだった。
「初めまして。
龍嵐5代目総長、十六夜廉也。
お前らを壊すために会いに来ました。」
なんの殺気もなく、ただ平然にサラリと、そいつは言った。
なにかされたわけではない。
だが、俺は動けなくなった。