総長からの「愛してる」Ⅱ
殺気や恐怖じゃねぇ。
俺が今まで感じたことのない、歪んだ感情がそいつから放たれている。
その感情を拒否するかのように、体は動かない。
「俺がずっと欲しいもの、今お前らが持ってんだよね。」
君の悪い笑い顔で、俺を舐めたように見ている。
なんだこいつ。
「誰だてめぇ。」
「おやぁ…意外と強いんだね。
まだ動けないと思ったんだけど。」
全国屈指の暴走族の総長である俺を、自信たっぷりに見下しやがる。
俺だってプライドってもんがあるから、こいつにかなりムカついた。
「答えろ。」
「俺の名前はーーー九識 敦だ。」