総長からの「愛してる」Ⅱ
再びベッドに座った海斗は、私の広げる雑誌を覗き込む。
「俺が女遊びしてんのは知ってるだろ。」
頷いた私に、海斗は雑誌の中の一宮宇美を指差した。
「全部こいつのせい。」
お母さんのせいってこと?
海斗の声が、たんなる反抗的な言葉じゃなくて………もっと深い意味があることを物語っていた。
「この女は昔から自分の顔に自信を持っていた。
だから率先してモデルのオーディションに参加して、初めてのオーディションで合格してモデルになった。
もしも、ここで合格してなかったら、この女は自分が、井の中の蛙だってことに気付けたのにな。」
こいつは運だけはいいから、とバカにしたように笑う海斗。
その姿が、逆に痛々しい。