総長からの「愛してる」Ⅱ
「いや、美愛本人から聞くべきかもしれないと思って、ずっと黙ってたんだけど。
多分、今、話した方がいいんだと思う。」
美愛が俺に話してないこと?
だとしたら、思い当たるのは一つだけ。
「美愛の本当の両親について、俺は美愛に話を聞いてて……ずっと黙ってた。」
なぜ美愛が俺に話さないのに、奏が知っているのかわからない。
だが、奏の口調から、かなり大事なことだというのがわかる。
「美愛はきっと、これからも廉也に話さないと思う。
多分、話したら嫌われると思ってるんじゃないかな。」
「なんで奏がわかるんだよ。」
海斗も、奏だけが知っていることにイラついているようだ。