総長からの「愛してる」Ⅱ
「お前がそう思うなら、話せばいい。」
人の考えが読めるだけで、龍嵐幹部にはなれねぇ。
きっと先輩たちも、こいつの別のところをかったんだと思う。
伊達に龍嵐幹部に選ばれてるわけじゃねぇんだ。
「普通の一般家庭だった美愛の家に異変が起きたのは、母親のせいらしいんだ。
母親の浮気。
そして、そのまま離婚をして出て行ってしまったらしい。」
奏は話されたことを思い出すように、目を閉じた。
きっと、奏の闇を聞いて美愛が自分の過去と重なったように、
奏も美愛の過去が自分と重なるんだろう。
「後でわかったらしいけど、美愛の母親は金目当てで40以上年の離れた男と結婚し、財産も手に入れた。」