総長からの「愛してる」Ⅱ
『お願い、廉也。
なにも言わずに、別れて。
龍嵐を悲劇になんて、させたくないから。
廉也を悲しませたくないの。』
「美愛……っ
本気で言ってんのか、それ。」
だんだんと湧いてくるのは、怒り。
美愛に諦めさせることを強要した、九識敦への怒り。
美愛を追い詰めたことも、美愛を苦しめていることも……許せるわけがねぇ。
『本気だよ。
ねぇ、廉也……軽蔑してもいいよ。
私のことを憎んで、嫌っても構わない。
それで、廉也が、私のことを見捨ててくれるなら、むしろそうして。
だけど…
なにがあっても、どんなに否定されても
私の愛だけは忘れないで。』