総長からの「愛してる」Ⅱ
勝手に切れた電話。
そこからはもう、美愛の声は聞こえない。
「っ!!行くぞ。旭、九識敦のとこだ。
奏は全員に連絡。時間がねぇから現地集合だ。
海斗、特攻隊率いて先に行け。未來は下の誰かに俺の家まで送ってもらえ。」
「はい。」「うん」「了解。」
前にも美愛が日向に攫われたことはあった。
でも今回とは、わけが違う。
あの時は、明らかに俺目当てだったし、相手も俺が知っているやつだった。
だが、九識敦の狙いは美愛であり、あいつは人殺しを命じたやつだ。
「ちっ!!急げっ!!」
「総長、冷静になってください。
熱くなっては、相手の思うツボです。」