総長からの「愛してる」Ⅱ
「うるせぇよ。
わかってんだよ!!
けど、手遅れになるかもしれねぇ。」
焦りと怒りで、頭を冷静にできない。
「焦ってんのはこっちも一緒なんだよ!!」
奏と海斗はもう出た後の、俺と旭しかいない幹部室に響いた怒鳴り声。
「旭……お前……。」
「……こっちだって、救いたいんですよ。
雨宮美愛のことはもちろん、昴を。
けど、追い込んだのがうちの会社だというのに、恨まれてることが怖くて、なにもしてあげられなかったんですよ。」
「お前知ってたのか。」
コクリと、力なく頷いた旭。
その顔には、今まで一度も見たことがなかった旭の “後悔” の表情が浮かんでいた。