総長からの「愛してる」Ⅱ
「……俺が、お前らの許可なく強引に女にしたんだ。
お前らが美愛を守る義理も理由も、あるとすれば “総長の女” ってだけしかねぇしな。」
最悪の場合、俺は総長の座を降りることも覚悟をしている。
龍嵐を中途半端にするのは申し訳ねぇが、美愛のためになら捨てる。
「…………認める。
奏を変えた時点で、俺は美愛の強さには惹かれていた。」
俺をまっすぐ見て、一瞬も迷いを見せないその瞳。
───こいつは、覚悟していた。
自分がいつか、美愛を受け入れることを。
「……廉がここまで苦しむのに、認めないわけない。」
それは、俺が変わったと言いたいんだろうか。
……確かに、前の俺なら女にここまで感情移入なんざしなかった。