総長からの「愛してる」Ⅱ
「……よくわかってるな。」
ーーーゾゾっ
聞きなれた声とともに感じたのは、恐怖と寒気。
一ミリも動いていないというのに、汗がじわりと出た。
「この戦争の勝敗なんてどうでもいい。
ただ、刺し違えても、お前だけは殺す。」
僕の正面。
奏を挟んだ向こう側。
そこに、いつの間にか昴がいた。
今まで、廉相手でも感じたことのないほど、恐ろしい殺気を含んだ昴。
廉の武器としての『殺気』でなく、本気で殺す為だけに自然と現れた『殺気』。
体が恐怖に支配されて硬直し、怒りや憎しみの感情が伝わってくる。
「昴!!」