総長からの「愛してる」Ⅱ
僕の言葉に、迷いを見せ、もう一度チラリと昴をみる。
だが、昴はもう奏を見ようとはしない。
ただ、一心に憎悪の感情で、冷たい視線をまっすぐ僕に向けている。
奏は昴に入り込むことは不可能だとわかり、微かに頷く。
「…………わかった。」
不安そうな表情を戻さずに去ろうとする奏に、僕はもう一度呼びかけた。
「奏!!
この戦いを勝てば、きっと、全員が幸せになれます。
救いたい人のために、人のことより自分ができることをしなさい!」
奏の表情が、たった一瞬で幹部のものへと変わった。
「死ぬなよ………2人とも。」