総長からの「愛してる」Ⅱ
扉の目の前に立ち、取手に触れる。
ひんやりと冷たいそこからは、嫌な想像しか思いつかない。
「くそっ」
マイナスの方向へとしかいかない頭を、振って再び冷静にさせる。
一刻も早く開けなければと思えば思うほど、思考が鈍る。
この先には美愛じゃなく、九識敦もいるはずだ。
こんな頭じゃ、倒せねぇだろうが。
「…ふぅー…………よし。」
一回の深呼吸のあと俺は手に力を込め、扉を開けた。
その先の景色を見た瞬間。
一瞬で冷静さをなくす。
「……………っ!!」
声にならない叫びが、俺から放たれた。