総長からの「愛してる」Ⅱ





そこにいたのは、ボロボロになった美愛。



美愛自体が、というよりも正しくは美愛の服……だが。




床には破かれた服が散乱し、ほとんど裸の美愛は両手両足が固定されている。



俺が入ってきたのにピクリとも動かない美愛。


意識があるのかどうかさえ、怪しい。



だいぶ抵抗したのか、痣も微かに見える。




完全に終わった後のようで。



その現実にデカいショックを受けた。


美愛の姿を目に映すのが嫌になった。



………こういうことか。


昴に言われた言葉の意味がわかった。




『廉があの女を愛しているほど、廉はあの女から離れることを選ぶ。』



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