総長からの「愛してる」Ⅱ



俺は当たり前だが体目当てで美愛を好きになったわけではない。



とはいえ、この美愛を本気で愛している俺にとって、この光景はかなりの痛みだった。




痛ぇ。


心が引き裂かれそうだ。



……それでも俺には、美愛しかいない。



美愛しか愛せない。




泣き叫びたい想いを無理矢理奮い立たせる。





「美愛っ!!」




周りをろくに確認せず、美愛に近寄った。



殺風景な部屋で余計に目立つキングサイズのベッド。




「美愛…美愛!!」




抱きしめながら、必死に呼びかける。



目を閉じ、まるで死んだように動かない美愛。




< 317 / 427 >

この作品をシェア

pagetop