総長からの「愛してる」Ⅱ
俺は当たり前だが体目当てで美愛を好きになったわけではない。
とはいえ、この美愛を本気で愛している俺にとって、この光景はかなりの痛みだった。
痛ぇ。
心が引き裂かれそうだ。
……それでも俺には、美愛しかいない。
美愛しか愛せない。
泣き叫びたい想いを無理矢理奮い立たせる。
「美愛っ!!」
周りをろくに確認せず、美愛に近寄った。
殺風景な部屋で余計に目立つキングサイズのベッド。
「美愛…美愛!!」
抱きしめながら、必死に呼びかける。
目を閉じ、まるで死んだように動かない美愛。