総長からの「愛してる」Ⅱ



「ここでお前を殺し、鳳凰の奴らも消す。」



狂ってる。



こいつの狂気に満ちた美愛への執着心に、一瞬嫌な鼓動がなった。



こいつにとって犯罪を行うということに躊躇いなどない。




当然、殺しに来るだろう。



なら俺も、殺す気でやらねぇとな。





「隠す必要ないんだから、さくっと終わらせようか。」



九識敦がポケットから取り出したのは、ナイフ。



凶器を惜しげもせずに出すあたり、余程の自信があるんだろう。




「俺は死なねぇと約束したから……絶対に死なねぇよ。」




目を閉じている美愛に聞こえるように、話す。




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